スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

8月, 2009の投稿を表示しています

国際生活機能分類-児童版- ICF-CY 日本語訳ついに出版!

・ICF-CY国際生活機能分類 -児童版-      編著者   厚生労働省大臣官房統計情報部    発行所    厚生統計協会    定価    3,150円(税込)     発行日   2009年07月23日    A4判・323頁 ICF-CY日本語版の最初にある「発行にあたって」を参考にしながら、以下にその概要を紹介します。    人生の最初の20年間における急激な成長と変化を十分把握する観点からICFを補完する目的で,WHOの国際分類ファミリー(WHO-FIC)の派生分類として,国際生活機能分類-児童版-(ICF-CY)が開発されました。  WHOのワーキンググループ等で検討が行われた後、2006年のWHO-FICの年次会議において承認され、2007年10月イタリアのベニスで正式に発表されて,英語での刊行物が配布されました。  日本語版作成の検討会議には、ICF-CY Japan Network運営スタッフ代表の徳永亜希雄とメンバーの佐藤久夫も参加しました。何度も検討を重ね、結果がまとまったことで今回発行されました。   子どもたちについては,ICFの項目だけでは生活機能の分類や理解が難しかった部分がありましたが,ICF-CYによって,より適切な支援につながることが期待されます。  ようやく出されたICF-CY日本語版を用いて、我がICF-CY Japan Networkとしても、子どもや家族への適切な理解と支援に寄与できるような活動をより積極的に進めていきたいと思っています。今後ともよろしくお願い致します。                                       (実践研究グループ 逵 直美)

ICFって何でしょうか?

「知りたいICF、教えてICF-CY」1 2002年7月にICFの日本語公定訳が出され、同年12月には、政府が定めた『障害者基本計画』(2003~2012年度)では『基本的な方針』の『横断的視点』で、『WHO(世界保健機関)で採択されたICF(国際生活機能分類)については、障害の理解や適切な施策推進等の観点からその活用方策を検討する。』と述べられています。」 以降、いろいろな分野で活用が図られてきました。   例えば、障害のある子どもへの教育である「特別支援教育」の分野では、今後の学習指導要領等の改善の方向性について提言した、2008年1月の中央教育審議会(答申)において、特別支援学校の教育課程の改善のために、ICFの考え方を踏まえる必要性を指摘しています。 さて、あらためてICFとは一体どのようなことだろう?と調べるためにいわゆる「赤本」をはじめ、関連の文献*1)等の本を見てみると、次のような説明がなされています。 「ICF(国際生活機能分類)は、2001年にWHOより発行された、健康状態と健康関連状況を記述するための統一的で標準的な言語と概念的枠組みを提供することを目的としている分類であり、すべての人の健康状態を全人的に把握するためのものとして開発されたもの。」これで分かるという方もいると思いますが、よく分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか!? そこで、もう少しイメージしやすいように補足説明をします。 ICF(国際生活機能分類)は、2001年にWHO(世界保健機関)の総会においてICIDH(International Classification of Impairments, Disabilities and Handicaps;国際障害分類)の改訂版として採択されたものです*2)。ICFでは、人間の健康状態に関係した生活機能の状態を、心身機能・身体構造のレベル、活動のレベル、参加のレベルに分け、さらに、その人をとりまく社会制度や社会資源等の環境因子、障害とは直接関係ないとされる個人の因子、健康状態も含めた、それら相互作用の中でとらえるものです。その概念的枠組みを示したものが図1です。また、ICFでは、心身機能、身体構造、活動、参加、環境因子について、アルファベットと数字の組み合わせた分類項目合計1424項目が挙げられています(例 d450歩行