スキップしてメイン コンテンツに移動

「ICF国際生活機能分類―国際障害分類改定版」のご紹介

徳永(2008)は、ICFの活用を試みている人やICFに興味を持っている人の中には、ICFの本体である「ICF国際生活機能分類―国際障害分類改定版
(以下、「赤本」)」を見たことがない人が多いのではないか、
ICFの活用の例は知っているが、ICFそのものについてはよく知らないという人が多いのではないかと指摘しています(*)。

みなさんは、以下の「赤本」をご覧になったことがあるでしょうか?

世界保健機関(WHO)著 障害者福祉研究会編集
「ICF国際生活機能分類―国際障害分類改定版」
(中央法規出版 3675円 B5版 263頁 2002年8月初版発行) 

本書は、1980年にWHOが国際疾病分類の補助分類として発表した
国際障害分類(ICIDH)の改定版として、2001年5月にWH0総会で
採択された 「国際生活機能分類(ICF)」です。

赤い表紙なので、「赤本」と呼ばれることが多いようです。
「赤本」の構成は、以下の通りです。

ICF日本語版発行によせて
まえがき
謝辞
序論
1 背景 
2 ICFの目的 
3 ICFの特性 
4 ICF構成要素の概観 
5 生活機能と障害のモデル 
6 ICFの使用
第1レベルまでの分類
第2レベルまでの分類
詳細分類と定義 心身機能/身体構造/活動と参加/環境因子
付録
索引

「赤本」では、ICFの分類項目の説明が大半(約170ページ)を占めています。ICFとは何か、また、改定の概要については、序論や付録で細かく説明されています。

ICFを有効に活用するために、ICFそのものを見直してみませんか? 
「赤本」を、一度開いてみられてはいかがでしょうか。

本ネットワークのメンバーが考える「赤本」のどこにポイントを置いて
読むことがオススメか,ということについて、
これから、何回かにわたってご紹介していけたらと思っています。

*徳永亜希雄:肢体不自由教育におけるICFの活用―ICF(国際生活機能分類)
の概要を*整理する―、日本肢体不自由教育研究会編集、肢体不自由教育183号、pp42-45、2008.

コメント

このブログの人気の投稿

ICFシンポ&ポスター発表@特殊教育学会 今年は@博多です!

今回は,日本特殊教育学会の案内です.  昨年は,は8月下旬に開催されましたが,今年は9月初旬に開催されます.  会場は,福岡市の福岡国際会議場,会期は,9月6日(金)~9月8日(日)です.  事前視聴動画等はない,久々の対面のみの実施となっています. 本シンポも,昨年度は趣旨説明や話題提供は動画視聴で行い,会場では,指定討論から開始しましたが,今年は,すべて会場で行います.  これまで,教育の文脈でICFの活用に関して検討してきた,私たちの自主シンポジウムについて,あらためて論点を整理し直し,今年はテーマを「共通言語としてのICF活用の再考」として,原点に戻るような議論を交わすことにしました.  詳細は以下の通りです.  自主シンポジウム S4-4 「共通言語としてのICF活用の再考」 9月27日(土)12:30~14:30 ※現在のところ,会場は未定 企画者: 德永亜希雄(横浜国立大学) 司会者: 徳永亜希雄 話題提供者:  徳永亜希雄「就学前から就学後への接続における分類項目活用の試み」 逵直美(東京都立光明学園)「若手教員育成におけるICF活用」 西村修一(前・栃木県立岡本特別支援学校)「共通言語としてのICFとICFコアセットの実践活用」  指定討論者:  山元薫(静岡大学)「学校教育の立場から」  田中浩二(至誠館大学,のあ保育園)「就学前教育・保育の立場から」    加えて,今年も,以下のとおり,ポスター発表を行います. 昨年度の続きである,概念ベースではない,項目ベースでの活用の取り組みです.  P2-62「子どもの育ちを切れ目なく支える個別の教育支援計画へのICF分類項目実装化に関する実証」(德永亜希雄,田中浩二) 9月6日(金)15:30~17:30    ぜひ,論文集でのご確認をいただき,当日参加される方は.会場でも!  プログラムの詳細はまだオープンになっていませんが,今大会の全体像は,以下をご覧下さい.  https://www.jase.jp/taikai62/  (文責 ICF-CY Japan Network 運営スタッフ代表 徳永亜希雄) 

高山恵子氏をお招きして、研修会を行ないました。

12月も半ばにさしかかり、本格的に寒くなってきましたね。 ICF-CY Japan Netwotkでは、8月に、NPO法人えじそんクラブ代表の高山恵子氏をお招きして、研修会を行ないました。 テーマは、「発達障害のある親子の自己実現の支援」〜ICFモデルの理念を活用した挫折をいかすヒント〜 始めに、発達障害のある人の自己実現とは、支援や合理的配慮を受けながら、自分らしさを生かして社会貢献すること。また、挫折した後の成功の快感を増やすことが大切というお話がありました。そして、ICFモデルの理念を、お子さんの実行機能やゲーム依存症への対応、セルフエスティームを高めるための方法などと関連付けながら、具体的にわかりやすくお話をしていただきました。 どの事例も興味深く、2時間があっという間でした。 事後のアンケートでは、ICFについてよく知っている方、ICFをまだよく知らないという方双方から、貴重な学びの機会になったというご意見をいただきました。 令和6年4月1日からは、事業所における合理的配慮の提供が、努力義務から義務化に変更となります。今後も、多くの方が、ICFモデルの理念や内容、活用方法などを学び、適正な合理的配慮が推進されることを願っています。 (文責 ICF-CY Japan Network 大久保直子)