ICF-CY Japan Network 第1回研修会報告
2011年2月11日に第1回 ICF-CY Japan Network(以下、ICFCYJPN) 主催の研修会を開催致しました。以下に報告致します。
1 日時 2月11日(金曜日)
13:30~16:30
2 場所 東京都立墨東特別支援学校
3 目的 ICFの理念に基づく実践の活性化並びに充実を図ること。
4 目標・ICF/ICF-CYへの共通理解を図る。
・ICFCYJPN情報交換MLメンバーのICF/ICF-CY活用実践について共有する。
・ICF/ICF-CY活用を各現場に浸透させるための課題解決の方策を協議する。
5 内容
1)主催者代表あいさつ
2)趣旨説明及び日程説明
3)基調対談
テーマ『ICF/ICF-CYとその活用は、どこから来て、どこへ行くのか』
というテーマで以下のように対談が進みました。
①ICFとの出会い、ICFの魅力
②あらためてICFとは
③ICF/ICF-CYの活用とは
④ICF/ICF-CY活用の未来
ICFとの出会いはどんなものだったのか、自分を惹きつけたICFの魅力とは何かということが対談者から話され、参加者の方々から一人ひとりのICFを使った実践と、その実践に込める熱い想いが語られ、貴重な情報交換になりました。
ICFとICIDHの違いとして環境因子がクローズアップされる面がありますが、ICIDHにも、概念図にはないものの本文には環境的な側面へ言及されていることが紹介されました。このように採択から10年経っているICFについて、ICF誕生までの経緯を含めて確かめました。
現在のICF/ICF-CYの活用については、 2009年に国立特別支援教育総合研究所が行った全国調査では、特別支援学校において職員によるICFの認知度が80%であると答えた学校が約1/4であり、既に活用されている学校では概念的枠組みや参加を重視している観点が多く活用されているとの報告がありました。
また、ICF/ICF-CY活用の重要なポイントとして、【何を目的に使用するか】を共通理解して進めていくことが挙げられました。「ICFが使えるってことだから」「ICF関連図をつくるといいらしいから」などICFが先走るのではなく、「解決したいそのことを解決するには、ICF関連図で図にして表してみよう」などのように、目的達成のための手段であることを意識し、進めていくことが大切であることがわかりました。
最後に対談者から、今までと同様に実践を大事にしながら、ICFに関する世界的な動向も見つめつつ、ICF/ICF-CYの活用を必要とする人のためにみなさんと一緒に考えたいという話がありました。
ツールとしてのICFも完成されたものではなく、活用方法に正解はありません。今後もみんなと共に考え、実践、研究を通してよりよいものに作り上げていきたいという新たな思いをもちました。
4)実践交流および情報交換
・参加者による自己紹介等
全体で約20名の参加がありましたが、参加者からは、自己紹介と共に「ICFの活用って何だろう」「教育課程のベースになれば」「他県の実態が知りたい」「共通理解のツールになればと思う」といった意見と共に「情報共有と共通言語」「就労支援とICF」「当事者が活用するICFがあるのでは」「電子化とICF」「寄宿舎教育とICF」等が話題として出されました。
・実践交流及び情報交換
研究者・教職員・職業リハの関係者など様々なICF活用実践者からの以下の内容で報告がありました。
① ICF関連図の活用手順についての研究報告と教育相談・巡回相談での活用の研究報告
② 寄宿舎での活用
③ ICF職リハコアセット検討会議の参加報告
④ 職リハジョブコーチからみるICF
⑤ キャリア教育とICF
5)まとめ
ICFをなぜ使うのか、ICFを何のために使うのかを共通理解して進めることが大事であるという意見が出されました。活用方法は、実態に応じて様々で、「関連図を使う」「チェックシートを使う」「参加からの活用」「実態からの活用」などの中で何が正しいというものはありません。
今後も様々な立場の方との情報交換を深めながら、実践や研究を重ね、ICF活用を必要とする方々に情報を提供したいと思います。
(理解啓発グループ 逵 直美)
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