日本特殊教育学会第55回大会の
『ICFと合理的配慮と特別支援教育(5)』をテーマにした自主シンポジウム報告の続きです。
報告1は、こちらをご覧ください。
〔指定討論〕
齊藤は,はじめに,合理的配慮の分かりにくさ,特に特別支援教育においては,これまで行われていた特別な指導との区別の曖昧さがあることを述べました。そして,何のための合理的配慮か,つまり,合理的配慮によって,その子にとって何が始まるのかを大事にすべきであることを述べました。そのうちのひとつとして,「子どもの学び」としての発達の保障・発達の促進であるとしました。子どもが学ぶためのスタート地点に立ち「参加」することで様々な発達が相互作用的に促され,また,保障されること,配慮によって「参加」は可能になったが,ただ便利になっただけということにならないようにすることを述べました。ふたつ目として、本人の意思をどのように反映させるか、本人が参加をイメージして「こうなりたい」と思うようにすることを大事にしたいと述べました。
〔フロアから〕
合理的配慮に関しては、労働分野は目的がはっきりしているので、合意形成のプロセスにしてもわかりやすいことや、(教育分野では)過剰な配慮や過剰な負担について、どのように決めていくのかがわかりにくいこと、合理的配慮の申し入れに際し、本人が自分の能力を理解しておくことが必要ではないかということ、ICFをチェックリストとしてどのように活用していくのかをきちんと視野に入れておくこと、教育と労働にはそもそも違いがあり(労働は生産という目的、教育は生涯の中で学ぶ)、目的が違うこと、など活発な意見交換ができました。
〔おわりに〕
「事例の検討が必要だな」・・・・・・そう感じました。
この報告を読んだ皆様はどのようにお考えになりますか?
文責:ICF-CY JPN 齊藤博之
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