スキップしてメイン コンテンツに移動

平成30年度日本特殊教育学会自主シンポジウムの報告その2(話題提供の様子)

間に厚労省シンポの話題を挟みましたたが,前々回の更新に引き続き,今回は,9月の特殊教育学会自主シンポでの話題提供内容について報告します.
 
話題提供は3人が行いました.その内容は次のとおりです.

徳永は,「これまでの検討経過と今後の方向性」と題して,取り組んできた本学会自主シンポジウム等を通して合理的配慮決定時の合意形成プロセスについての検討経過を報告し,昨年度の隈田原氏が報告した事例をもとに「合理的配慮決定手順(試案)」の作成の検討状況を報告しました.この中では,「合理的配慮の決定・提供・評価・見直し・引き継ぎ等の流れについての論点整理」として,ICF及びICF-CYの分類項目のセットである.いわゆるコアセットの位置付けや「ICF関連図」の活用の仕方等について投げかけを行いました.

西村氏は,「合理的配慮と新学習指導要領」と題して,まず特別支援学校新教育要領・学習指導要領解説自立活動編に記載された「合理的配慮と自立活動とのかかわり」について,セルフアドボカシースキルの獲得を目指す教育内容の重要性や,合理的配慮と自立活動の関係性の理解へのICFモデルの活用等について述べました.次に,LD児を例にしながらICFコアセットの活用可能性について報告しました.

堺氏は,「障害種別の合理的配慮ICF-CYコアセット作成の試み」と題し,国立特別支援教育総合研究所による教育システム構築支援データベースの病弱児の実践事例を用いて,ICF-CYカテゴリーとの適合性を検討し,合理的配慮ICF-CYコアセットの作成の試みを報告しました.今回の取組を通して,今後,学校における合理的配慮の各観点にあった障害種別の合理的配慮ICF-CYコアセットを作成できる可能性が示唆されたことやICFコアセットに倣って,記録用フォームを作成する必要性について述べました.

話題提供内容は,ここまでです.次回は,指定討論の様子について報告します.

          (ICF-CY Japan Network 運営スタッフ代表 徳永亜希雄)

コメント

このブログの人気の投稿

ICFシンポ&ポスター発表@特殊教育学会 今年は@博多です!

今回は,日本特殊教育学会の案内です.  昨年は,は8月下旬に開催されましたが,今年は9月初旬に開催されます.  会場は,福岡市の福岡国際会議場,会期は,9月6日(金)~9月8日(日)です.  事前視聴動画等はない,久々の対面のみの実施となっています. 本シンポも,昨年度は趣旨説明や話題提供は動画視聴で行い,会場では,指定討論から開始しましたが,今年は,すべて会場で行います.  これまで,教育の文脈でICFの活用に関して検討してきた,私たちの自主シンポジウムについて,あらためて論点を整理し直し,今年はテーマを「共通言語としてのICF活用の再考」として,原点に戻るような議論を交わすことにしました.  詳細は以下の通りです.  自主シンポジウム S4-4 「共通言語としてのICF活用の再考」 9月27日(土)12:30~14:30 ※現在のところ,会場は未定 企画者: 德永亜希雄(横浜国立大学) 司会者: 徳永亜希雄 話題提供者:  徳永亜希雄「就学前から就学後への接続における分類項目活用の試み」 逵直美(東京都立光明学園)「若手教員育成におけるICF活用」 西村修一(前・栃木県立岡本特別支援学校)「共通言語としてのICFとICFコアセットの実践活用」  指定討論者:  山元薫(静岡大学)「学校教育の立場から」  田中浩二(至誠館大学,のあ保育園)「就学前教育・保育の立場から」    加えて,今年も,以下のとおり,ポスター発表を行います. 昨年度の続きである,概念ベースではない,項目ベースでの活用の取り組みです.  P2-62「子どもの育ちを切れ目なく支える個別の教育支援計画へのICF分類項目実装化に関する実証」(德永亜希雄,田中浩二) 9月6日(金)15:30~17:30    ぜひ,論文集でのご確認をいただき,当日参加される方は.会場でも!  プログラムの詳細はまだオープンになっていませんが,今大会の全体像は,以下をご覧下さい.  https://www.jase.jp/taikai62/  (文責 ICF-CY Japan Network 運営スタッフ代表 徳永亜希雄) 

2025年もよろしくお願いいたします

2025年となりました. 2024年もお世話になり,ありがとうございました. 2024年は,元旦から能登半島地震がある等,たいへんな年でしたが,皆様はいかがでしたでしょうか. ICFCYJPNといたしましては,次のような取組みをしました. 1月は,多様な教育的ニーズのある子どもたちの支援のための多職種間連携におけるICF活用研究会との連携のもと,対面とオンラインでの勉強会を行いました(話題提供:徳永亜希雄・西村修一). 9月は,特殊教育学会での自主シンポジウム 「共通言語としてのICF活用の再考」に参画しました(司会:徳永亜希雄,話題提供者:徳永亜希雄・逵直美・西村修一,指定討論:山元薫・田中浩二). 久しぶりの対面のみでの大会で,たいへん盛り上がりました. また,「子どもの育ちを切れ目なく支える個別の教育支援計画へのICF分類項目実装化に関する実証」と題して,ポスター発表も行いました(德永亜希雄,田中浩二). 2025年もいろいろな取組をする予定です.どうぞよろしくお願いいたします. 今年が皆様にとって良き年となることを願っております. (文責 ICF-CY Japan Network 運営スタッフ代表 徳永亜希雄)