スキップしてメイン コンテンツに移動

祝!20回記念のICFシンポ&ポスター発表@特殊教育学会の報告です(その5)

今回は,フロアを交えた議論,その後の議論,そしてポスター発表の様子について報告します!

〇フロア交えて協議

1)Aさん,

・ICFとICTの活用の取り組みを進めてきた.同じ活用でも,ICTだと主語が子供になるが,ICFだと支援者になるところが不思議である.

2)Bさん

 比較的古くから,ICFの活用に取り組んできた.以前は特別支援学校に在職していたが,現在は福祉分野での仕事.福祉分野では,ICF そのものを知らない人はいないので,研修で扱うことも必要がない.現職でも使えるも,と感じた.

3)(終了後,直接企画者へ)元特別支援学校等の校長のCさん

・共通言語になる前には,その前のプロセスとして 葛藤の段階があり,それを通り過ぎないと有用な共通言語にはなりえない.

〇シンポジウム全体を振り返って

・前回大会は,天候不順等で全員が集合できなかったが,今回大会はコロナ禍以降,久々に対面でじっくり話ができてよかった.

・インクルーシブ教育の文脈での活用だからこそ,従来の特別支援教育ではない領域への理解啓発ツールにより重点を置く必要があると感じまた.

・ICF活用のあらたな可能性をあらためて感じた.それぞれの課題を整理しつつ,さらに江検討を進めていきたい.

〇ポスター発表

自主シンポジウムの前日,以下のポスター発表を行いました.

「子どもの育ちを切れ目なく支えるICFを活用した共通情報シート開発に向けた基礎的研究」

德永亜希雄(横浜国立大学),田中浩二(至誠館大学)

・本研究は,子どもの育ちを切れ目なく支えるICFを活用した共通情報シート開発に向けた基礎的な知見を得るため,特別支援学校の実際の個別の教育支援計画への実装に向け,適切と思われるICFの項目を抽出することを目的としたもの.

・その結果,d130 模倣」他17項目が抽出され,今後の実装に向けた方向性が報告された.

・発表には,参観者が,こちらも切れ目なく訪れ,活発な質疑応答,議論が交わされた.参観者は,就学前にかかわる,切実な課題意識をもつ関係者が多く,今後の活用を期待する思いや実装を通した実証,実用化の必要性が感じられた.

以上が,2023年度の特殊教育学会での自主シンポ及びポスター発表の様子の報告でした.

御覧いただき,ありがとうございました.

次回は,自主研修会の様子を報告します.お楽しみに!.

(文責 ICF-CY Japan Network 運営スタッフ代表 徳永亜希雄)

コメント

このブログの人気の投稿

ICFシンポ&ポスター発表@特殊教育学会 今年は@水戸です!

不順な天候が続いていますが,いかがお過ごしでしょうか. 今回は,日本特殊教育学会の案内その1です. 今年は,茨城県水戸市の水戸市民会館で,9月13日(土)~9月15日(月)に開催されます. 今年も,事前視聴動画等はなく,対面のみの実施となっています. まだ日程は決まってませんが,応募していたシンポジウムとポスターが大会事務局に受理されましたので,先にお知らせします. 前回大会では,「共通言語としてのICF活用の再考」と題して,原点に戻るような議論を交わすことができました. 今回は,さらに一歩前に踏み出すため,テーマを「ICF活用の『不易と流行』を考える」として,次のような内容で取り組みます. キーワードは,ICF・特別支援教育・AIです. 企画者: 德永亜希雄(横浜国立大学) 司会者: 徳永亜希雄 話題提供者: 逵直美(東京都立光明学園)「若手育成と ICF活用の検討」 徳永亜希雄「ICF概念モデルをベースにした教育モデルの検討」 西村修一(前・栃木県立岡本特別支援学校)「ICFコアセットの評価におけるAI活用の試み」 富山比呂志(茨城県立結城特別支援学校)「AIによるICF活用の検討」 指定討論者: 山元薫(静岡大学)「子ども理解としてのICF活用の意義」 田中浩二(至誠館大学,のあ保育園)「ICF活用の発展におけるAIの意義と可能性」 加えて,今年も,以下のとおり,ポスター発表も行います. こちらも一歩踏み込んだ取り組みです. 「ICFコアセット作成のための生成AI活用の可能性~就学前後の継続的支援のために抽出した項目をもとに~」(德永亜希雄,田中浩二) 今回は以上です. また日程が分かったらお知らせします. よろしくお願いいたします. (文責 ICF-CY Japan Network 運営スタッフ代表 徳永亜希雄)

佐藤久夫先生に学ぶ会・囲む会を開催

2025年2月11日 佐藤久夫先生に学ぶ会・囲む会を開催しました。 佐藤久夫先生は、現在、日本障害者協議会(通称JD)の理事、日本社会事業大学の名誉教授をされています。ICFをWHOレベルで作る段階の日本の事務局長をされるなど、ICFを作ってこられた方です。また、それに関心のあるものも私たちも含めて、いろんなものをつないでいただいた、大恩人、大師匠でもあります。 当日は、 ICFに関連する最近の話題からということで 「人権モデル、障害と機能障害、国民生活基礎調査での障害設問」という3つのテーマで、お話をしていただきました。 1.人権モデルについて 障害者権利条約の審査が、100カ国位に進んできている中で、障害者権利委員会では、「障碍の人権モデル」の定義が示されていなかったが、中身を検討し始めていること。そして、障害者権利委員会が考える、「障碍の人権モデル」の要素について、佐藤先生の解釈を含めて、わかりやすく教えていただきました。 2.障害と機能障害について 医学モデルの理解から人権モデルの理解に進む上で、日本の障害者権利委員会でも、この2つの概念の使い分けが曖昧なまま進んでいること。「障碍」「機能障碍」「障碍または機能障碍」という表現を、どのように使い分けていくべきなのかという提言があり、参加者の間でも、活発に議論が交わされました。 3.障害者の貧困率について 日本の障害者の貧困率のデータを、分析・公表するために、佐藤先生達のチームが、日本政府とやりとりをされている現状を伺いました。 1時間半ほどでしたが、中身の濃いお話を伺うことができ、とても充実した時間でした。 今後も、佐藤久夫先生に学ぶ会囲む会を継続していきたいと思っています。 文責  ICF-CY Japan network  大久保直子

2025年もよろしくお願いいたします

2025年となりました. 2024年もお世話になり,ありがとうございました. 2024年は,元旦から能登半島地震がある等,たいへんな年でしたが,皆様はいかがでしたでしょうか. ICFCYJPNといたしましては,次のような取組みをしました. 1月は,多様な教育的ニーズのある子どもたちの支援のための多職種間連携におけるICF活用研究会との連携のもと,対面とオンラインでの勉強会を行いました(話題提供:徳永亜希雄・西村修一). 9月は,特殊教育学会での自主シンポジウム 「共通言語としてのICF活用の再考」に参画しました(司会:徳永亜希雄,話題提供者:徳永亜希雄・逵直美・西村修一,指定討論:山元薫・田中浩二). 久しぶりの対面のみでの大会で,たいへん盛り上がりました. また,「子どもの育ちを切れ目なく支える個別の教育支援計画へのICF分類項目実装化に関する実証」と題して,ポスター発表も行いました(德永亜希雄,田中浩二). 2025年もいろいろな取組をする予定です.どうぞよろしくお願いいたします. 今年が皆様にとって良き年となることを願っております. (文責 ICF-CY Japan Network 運営スタッフ代表 徳永亜希雄)