今回は,企画者・話題提供者の主な補足説明内容について報告します.
1)德永
・我々は,これまで,主に特別支援教育の文脈でのICF活用について,本学会での自主シンポジウム等を通して検討を重ねてきており,今回が通算20回目の開催となり,その系譜を一覧にまとめ,スクリーンで示した.
・その間のトピックである障害者権利条約やインクルーシブ教育の流れの中では,障害のとらえ方が社会モデルに寄りすぎている印象をもっており,その意味でもICFの概念的枠組みの共有は重要であり,個々の参加を支える環境因子として合理的配慮という考え方はなじみやすいと考える.
・これまでは概念的枠組みの活用の取組,報告が多かったが,今回は,ICFが多職種等をつなぐ共通言語であることを踏まえ,就学前から就学後への移行支援のためにICFの分類項目を活用した研究の取組について話題提供を行う.
2)斉藤さん
・小学生の数が過去最低という最近のニュースにもあるように,通常の義務教育学校に通う子どもが減少の一途をたどっている・その反面,特別支援教育を受けるこどもは増えている・特別支援教育の特徴でもあり要でもある自立活動に対する期待は大きいものの,その充実はいまだ課題が大きい.
・自立活動の指導の難しさの一つとして評価が難しいという声が聞かれる・ICFは実態把握=子ども理解に貢献できると考える.
3)逵さん
・これまでICFにどのように関わり,どう活用してきたかを報告し,今後に向けてどうあるべきか考えたい・
・主にICFの概念図を活用してきた・活動と参加,環境因子の阻害因子や促進因子を考え,視覚的に実態や課題を共有できたことは大きなパラダイムシフトであった・平成21年に公示された特別支援学校学習指導要領の解説で新たに「ICF」と「キャリア教育」の文言が示され,自立活動において,ICFの視点について示されたことも活用推進の背景にある・これまで,理解啓発・実態把握・連携・自立活動・進路・合理的配慮・本人参画・キャリア教育をキーワードとし,昨今はインクルーシブ教育をテーマに活用してきた・
・現在,学校では,働き方改革・資質能力の向上,インクルーシブ教育の推進,教員不足が課題となっている・それらの課題解決に向けて,子供達に向き合う時や教員の資質向上のためにICFの理念を共通理解すること,そして児童生徒を主体としての話し合いのツールとして活用することに期待している.
今回はここまでです.
次回は,指定討論者からの補足と話題提供者への質問について報告します!
(運営スタッフ代表 徳永)
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