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厚労省ICFフォーラム「ICD-11とICF利活用の新たなステージを展望する」が開催 されます

2019年が終わろうとしています. 皆さんにとって,どのような1年だったでしょうか. 来年は2020年.オリ・パライヤーとなりますね. さて,2020年早々の1月18日(土),厚生労働省主催のICFシンポジウム「ICD-11とICF利活用の新たなステージを展望する~かつてない超高齢社会を迎える日本の挑戦~」が開催されます. 前回のシンポジウムでは, WHOは、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)の公表を踏まえ,ICFも絡んだ大きな新しい動きが示されました. 今回も,さらに踏み込んだ議論が期待されます. ICF-CY Japan Networkの関係者もポスター発表をすることになっています. 詳しくは,以下のサイトからご覧になれます. http://www.who-fic-japan.jp/icf08/index.html 〆切は,1/7(火)正午までとなっています. 皆さんもよかったらぜひ! (ICF-CY Japan Network 運営スタッフ代表 徳永亜希雄)

2019年度日本特殊教育学会@広島大学 自主シンポジウムの報告(その3)

前回からの続きとして,今回は,フロアとの主なやりとり,最後のまとめを報告します. まず,フロアから,学齢期の子どもにおいてのICFコアセットを考えるときには,特に「参加と活動」において学習面に関した評価項目(分類項目)が多くなると考えられるが,インクルDBの実践事例とのマッピングをして,3観点11項目に不足している点がなかったかどうかについて,堺氏に対して質問がありました. 堺氏は,①3観点11項目に基づく実践事例との適合性を検討しているので,3観点11項目以外で何が不足しているかについては分からないこと,②何か他に合理的配慮について記述しているものがあって,それとの適合性を検討して得られたカテゴリーと今回得られたカテゴリーを比較することができれば,検討可能であり,インクルDBの他に基準となる合理的配慮ついて記述したものがあればよい,と応えられました. 続けてフロアから,コアセットは多変量解析などの手法を用いてできたものであるが,話題提供されたものをコアセットと呼んでよいかとの質問がありました. これに対し,司会者より,コアセットの位置付けや手続については,世界の動きも含めて堺氏が見てこられたことが述べられ,堺氏にコメントを求めました. 堺氏は,コアセットは,WHOによって厳密な手続きに基づいて開発されたもの,とされているので,私のコアセットはコアセットと呼ばないほうが良いのではないかという議論があったが,ICFカテゴリーの活用に関しては,コアセットを作成するということが大勢を占めていたので,コアセットという名称を使う流れできているが,今後検討したい旨,回答がありました. 最後に,司会者より,台風の中での参加と活発な議論に対して,謝辞が述べられ,今回は次のように論点を整理しながら進めたこともあり,全体の構造が分かりやすく,議論の整理ができたことが述べられました. ・ICFの全体がどのようになっていて,それらのどこに着目しているか, ・どのように使おうとしているか, ・合理的配慮をどう捉えているか, ・どのような手続を踏んでいるか 今回の議論を踏まえ,課題を整理して,さらに検討を深めたいことが確認されました. 〈以上 運営スタッフ代表 徳永)

2019年度日本特殊教育学会@広島大学 自主シンポジウムの報告(その2)

前回の続きとして,指定討論者と話題提供者とのやりとりを報告します. 西村氏に対しては,長期ケアのためのICFコアセットにあわせて実施すると良い手続き等について質問がありました.西村氏からは,評価を進めるに当たって,病院側と連携し,医師やOT等,それぞれの専門の立場のから評価を取り入れつつ,個々の子どもに対する評価を関係者が共に行うこととしている,と応えられました. 逵氏に対しては,①合理的配慮提供を進めるために ICFを活用できるプロセス,及び②児童生徒を取り巻く環境の変化が激しい中で本人の活動と参加を支えるために貢献できるICFの活用方法,についてそれぞれ質問がありました.逵氏からは,まず,進路選択で受験をする場合,障害があることで不利にならないように合理的配慮を求められるようになってきており,その際にICFを活用することに効果があることが多く実証されていていることが応えられました.続けて,学校では概念図を活用する場合が多いことから,個別の指導計画や支援計画に活用したり,他職種間の理解で活用したり,進路を考える上で活用したりする中で,支援を考える際に,ICFの環境因子の促進因子と阻害因子が貢献できる,と応えられました. 堺氏に対しては,国立特別支援教育総合研究所のインクルーシブ教育システム構築データベース(以下,インクルDB)が教育という文脈の中で実際に提供された合理的配慮,個別の支援が収集されたものと理解した場合,今回導かれたコアセットに対応する基礎的環境整備の共通点があるかどうか,併せて 教育という文脈の中でICFコアセットでは語りにくいものはあるかどうかについて質問がありました.堺氏からは,まず,インクルDBの内容は,合理的配慮という前提で行われており,例えば「エアコンを設置している」は基礎的環境整備であることも考えられるので,配慮の内容によっては,基礎的環境整備との共通点はあるかもしれないことが応えられました.次に,合理的配慮が個々の場面における障害者個人のニーズに応じたものであることを考えれば,コアなものとして抽出されたこと以外のところに合理的配慮はあるのかもしれない,と応えられました. 今回はここまでです.次回はフロアとのやりとり,最後のまとめを報告します.

2019年度日本特殊教育学会@広島大学 自主シンポジウムの報告(その1)

台風接近で開催が危ぶまれた2019年9月23日,広島大学で日本特殊教育学会第57回大会が行われました. その中で,ICF-CY Japan Networkのメンバーがかかわり,「ICFと合理的配慮と特別支援教育(7)」と題した自主シンポジウムを行いました. その概要を3回に分けて報告します. まず,関係者は以下の通りです. 企画者・司会者:徳永亜希雄(横浜国立大学) 話題提供者:逵直美氏(東京都立光明学園),西村修一氏(前・栃木県立岡本特別支援学校),堺裕氏(帝京大学) 指定討論者:山元薫氏(静岡大学) 話題提供のテーマは,それぞれ次の通りでした. 「脳腫瘍ICFコアセット(試案)と合理的配慮」(西村氏) 「キャリア教育と合理的配慮の関係をICFの概念的枠組みの活用で考える」(逵氏) 「学校における合理的配慮ICF-CYコアセット作成の試み」(堺氏) これらの話題提供に続き,指定討論者の山元氏は,インクルーシブ教育システムの構築に向けた動き,特別支援教育における新学習指導要領改訂のポイントを概観した上で,話題提供者に対して,質問を行い,それぞれから応答が行われました. 詳細は,その2で報告します. (ICF-CY Japan Network 運営スタッフ代表 徳永亜希雄)

今年もICFシンポ@特殊教育学会in広島,行います!

台風等が続いておりますが,いかがお過ごしでしょうか. 今年も特殊教育学会の季節がやってきました.今年は広島大学で開催されます. ここでは,自主シンポジウムについてお知らせします. 「ICFと合理的配慮と特別支援教育(7)」と題して企画しました. 同じタイトルで検討してきた積み重ねを踏まえた,7回目のシンポです. できるだけ関係者間で協議を重ね,当日を迎える予定です. 概要は以下のとおりです(敬称略).もしよかったら会場をのぞいてみてください. 自主シンポジウム8-5 ICFと合理的配慮と特別支援教育(7) 9月23日(月・振休) 09:00~10:30  @教育:K棟102 企 画 者:徳永亜希雄(横浜国立大学) 司 会 者:徳永亜希雄(横浜国立大学) 話題提供者:西村 修一(前・栃木県立岡本特別支援学校) 逵 直美氏(東京都立光明学園) 堺   裕(帝京大学) 指定討論者:山元  薫(静岡大学) https://www.jase.jp/taikai57/common/data/pdf/symposium.pdf 会場でお会いできることを楽しみにしています! (文責 ICF-CY Japan Network 運営スタッフ代表 徳永亜希雄)

平成30年度特殊教育学会ICF自主シンポ報告その4(フロアとのやりとり)

 前回に引き続き,今回は,フロアとのやりとりについてです.  時間内の全体でのやりとりに加え,終了後も個別にやりとりが多くありましたが,ここでは,時間内でのやりとりの概要を報告します.  最初の質問として,「他の国のICF活用の動向も参考になるのはないか」というものがありました. それに対し,徳永は「CFはそもそもWHOにおいて,ICDとも連動させながら保健関連情報を整理するための統計的ツールであり.世界的には,項目のセットであるコアセットの活用が増えてきた.私が紹介したポルトガルにおいても,項目のセットで子どもの状況を評価するために使われている.一方,日本では,概念図が重視されて紹介されてきたこともあり,概念図ベースの活用が多かったが.最近では,医療ベースでのコアセットも出てきた. これらを踏まえ,私達としてはICFの概念モデル活用と合理的配慮コアセットの組み合わせという,オリジナルの取組で,世界に発信できるものと考えている」と応えました.  次の質問として,「障害学生支援を担当しているが,特別支援教育での配慮と合理的配慮をどう整理しているか?そこにチェックリストはどう絡むか.」というものと「今回の合理的配慮の捉えは,権利条約をベースとしてものが,差別解消法をベースとしたものか」とういうものが続けてありました.  これらに対して,まず徳永は「中教審報告,差別解消法,権利条約は,解釈や表記の違いはあるが,すべて1本で繋がっている.教育における配慮は,障害のある子どもと同様に,必要な学習活動にアクセスできるように整えることと捉えている.教育課程,支援計画,指導計画等を通して展開される配慮は既にあるが,その上でさらに必要となる,本人保護者からの表明,或いは教員側が捉えて打診,相談し,合意形成のもとで提供されるものが合理的配慮として捉えている.これらを踏まえ,堺氏のコアセットでは,合理的配慮検討時に使えるものであり,西村氏のコアセットは,最初の全体的アセスメントで両方に使おうとされていると理解したが,どうか?」と応えました.  続けて西村氏は,「申し出に基づく合理的配慮を踏まえ,チェックリスト(コアセット)を用いて個々の障害の状態等に応じた配慮の必要性を捉えるようにしている.・権利条約でも障害者差別解消法でもあらゆるものが社会的障壁になる.教育においては,合理的配慮は実際...

平成30年度日本特殊教育学会自主シンポジウム報告その3(指定討論の様子)

前回に引き続き,今回は,指定討論の様子についてです.    山元氏は,インクルーシブ構築に向けた動きや,新学習指導要領の趣旨,改訂のポイント,基礎的環境整備と合理的配慮の関係等について述べた後,話題提供者3名に対して質問を行いました. まず,徳永に対しては「個別の指導計画や支援計画がある中で,合理的配慮について合意形成を図る際,ICFはどこで活用できるのか」を問いました. それに対し,徳永は「個別の指導計画等の中で学習上又は生活上の困難を捉える際でもICF関連図で捉えることができる.また,その活用の有無にかかわらず,指導計画等の作成後に発生した,合理的配慮が必要となる可能性のある新たな事案について,現況や配慮等を検討する際にICF関連図が活用できるのではないか.」と応えました. 次に,西村氏に対しては,「LDのある児童生徒の実態把握では,ICFのコアセットを用いるより,その他のアセスメントの方が,LDの指導をしている先生方にとってみると,分かりやすいのではないか?」と問いました. それに対して西村氏は「LDの指導に詳しい先生は,確かに諸検査の結果をもとに必要な手立て・配慮を容易に導くことができる.しかし,ICFコアセットを用いることにより,困難さの程度の把握や環境評価,環境との関連の中で構造的に困難の原因を把握し,必要な手立て・配慮を見出すことができると考えている.実行状況が高まれば,手立て・配慮の適切性も把握できる.」と応えました. 最後に,堺氏に対しては,「今回のコアセットは,教育という文脈の中で実績のある合理的配慮という点でとても価値があり,今後,合理的配慮を検討する学校にとって有効である.コアセットとバッテリーを組むとより効果的になるアセスメント等の方法はあるか?」と問いました. それに対し,堺氏は「コアセットは,文字通り核となる部分なので,病弱・身体虚弱に関係する分類項目をすべて網羅しているわけではなく,ICFの概念的枠組み(ICFモデル)を使って,その子の状況を位置づけて,周辺部分というかその子をみる上で不足している面について捉えることが必要である.コアセットに関する状況を先にICFの概念的枠組み(ICFモデル)の中に位置づけて,幹を作って,枝葉を作っていくようなやり方も考えられると思う.バッテリーを組むという表現をするとすれば,コアセットと概念的枠...

平成30年度日本特殊教育学会自主シンポジウムの報告その2(話題提供の様子)

間に厚労省シンポの話題を挟みましたたが,前々回の更新に引き続き,今回は,9月の特殊教育学会自主シンポでの話題提供内容について報告します.   話題提供は3人が行いました.その内容は次のとおりです. 徳永は,「これまでの検討経過と今後の方向性」と題して,取り組んできた本学会自主シンポジウム等を通して合理的配慮決定時の合意形成プロセスについての検討経過を報告し,昨年度の隈田原氏が報告した事例をもとに「合理的配慮決定手順(試案)」の作成の検討状況を報告しました.この中では,「合理的配慮の決定・提供・評価・見直し・引き継ぎ等の流れについての論点整理」として,ICF及びICF-CYの分類項目のセットである.いわゆるコアセットの位置付けや「ICF関連図」の活用の仕方等について投げかけを行いました. 西村氏は,「合理的配慮と新学習指導要領」と題して,まず特別支援学校新教育要領・学習指導要領解説自立活動編に記載された「合理的配慮と自立活動とのかかわり」について,セルフアドボカシースキルの獲得を目指す教育内容の重要性や,合理的配慮と自立活動の関係性の理解へのICFモデルの活用等について述べました.次に,LD児を例にしながらICFコアセットの活用可能性について報告しました. 堺氏は,「障害種別の合理的配慮ICF-CYコアセット作成の試み」と題し,国立特別支援教育総合研究所による教育システム構築支援データベースの病弱児の実践事例を用いて,ICF-CYカテゴリーとの適合性を検討し,合理的配慮ICF-CYコアセットの作成の試みを報告しました.今回の取組を通して,今後,学校における合理的配慮の各観点にあった障害種別の合理的配慮ICF-CYコアセットを作成できる可能性が示唆されたことやICFコアセットに倣って,記録用フォームを作成する必要性について述べました. 話題提供内容は,ここまでです.次回は,指定討論の様子について報告します.           (ICF-CY Japan Network 運営スタッフ代表 徳永亜希雄)

厚労省フォーラム「ICD-11・ICF大活用時代の扉を開く」が開催されます

先日,特殊教育学会シンポジウムの1回目の報告をしました. 本来なら,今回はその2となるところですが,その前に,最近入った,採れたて情報についてお知らせします. 11月30日,厚生労働省,世界保健機関(WHO)【予定】主催の「日・WHOフォーラム(WHO-Japan Forum)2018~ ICD-11・ICF大活用時代の扉を開く ~」が開催されます. 第一部(10:00~13:00)がICD-11公表記念シンポジウム 第二部(14:30~16:30)がWHO公開講座「WHO担当官によるICF講座」 となっています. 今年, WHOは、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)を公表し,そこにはICFも絡んでいます. この大きな新しい動きを私達としてもしっかり勉強したいと考えています. 詳しくは,以下のサイトからご覧になれます. http://www.who-fic-japan.jp/who-japan2018/index.html 皆さんもよかったらぜひ!        (ICF-CY Japan Network 運営スタッフ代表 徳永亜希雄)

平成30年度日本特殊教育学会自主シンポジウムの報告その1(当日までの経過)

9月22日〜24日の3日間,大阪国際会議場で日本特殊教育学会第56回大会が行われました. その最終日,ICF-CY Japan Networkのメンバーがかかわった,『ICFと合理的配慮と特別支援教育(6)』と題した自主シンポジウムを行いました. 本件について,1)当日までの経過,2)話題提供の様子,3)指定討論の様子,4)フロアとのやりとり,の4回に分けて報告します. まず,関係者は以下の通りです. 企画者・司会者:徳永亜希雄(横浜国立大学) 話題提供者:徳永亜希雄 西村修一(前・栃木県立岡本特別支援学校) 堺裕(帝京大学) 指定討論者:山元薫(静岡大学) 次に,企画趣旨についてです. ICF(国際生活機能分類)は,WHO国際分類ファミリーネットワーク内において,障害者の権利条約との関連でも議論されてきました.同条約のキーワードの一つが合理的配慮です. 我が国の教育分野では,中央教育審議会初等中等教育分科会報告(2012)において,合理的配慮の定義や具体的な観点が例示され,また,障害の状態等に応じた合理的配慮を決定する上で,ICFを活用することが考えられると述べられました.しかし,その後,具体的な実践レベルでの検討が十分にされていないことを踏まえ,本テーマによるシンポジウムにて議論を重ねてきました.今回はその6回目となり,冒頭でこれまでの検討経過についても説明がありました. 今回は,前回までの到達点と課題を踏まえ,加えて新学習指導要領の趣旨も読み解きながら,検討を行いたいと考えました.メールベースでの事前の意見交換や協議を,これまで以上に丁寧に行い,ICFと合理的配慮と特別支援教育についてより具体的に,実践レベルへの落としこみ方まで深めたいと考え,当日を迎えることとなりました. 当日までの経過はここまでです.当日の様子は,次回以降の更新で報告します.                    (ICF-CY Japan Network 運営スタッフ代表 徳永亜希雄)