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特殊教育学会水戸大会報告!ICFの不易と流行を考える!

 例年になく暑い秋が終わり,早いもので12月になろうとしています.  遅くなりましたが2025年9月13日から9月15日に行われた水戸市 水戸市民会館で行われたシンポジウムの報告をします。 シンポジウムは、9月13日初日に行われました。 「ICFの不易と流行」とは何か,興味をもっていただいた多くの人にご参加いただきました。 次のような内容で報告しました。 企画趣旨 德永亜希雄 ICFは、毎年項目が更新され続けていますが、基本設計そのものは変わらず、その活用の検討は進められてきており、私たちはこれまで特別支援教育での活用について様々な視点で協議してきました。今回は これまでの取り組みを振り返り、ICFの不易と流行について考える機会としました。 話題提供 ① 「若手育成と ICF活用の検討」逵直美(東京都立光明学園) ICFをなぜ活用するのか、ICFをここまでの10年間でどんな場面で活用してきたのかを振り返り、IC Fの活用ポイントを整理し報告しました。若手育成や教員の資質能力が課題となる学校現場で、その課題解決のどこにICFが活用されるのか考える機会となりました。 ② 「ICF概念モデルをベースにした教育モデルの検討」德永亜希雄(横浜国立大学) 学習指導要領解説や国の方針等にも触れながらこれまで概念モデルをどのように活用してきたのか振り返り、概念モデルを活用した,子どもの理解と指導や支援への具体的事例などを報告しました。今後の具体的な活用について考える機会となりました。 ③ 「ICFコアセットの評価におけるAI活用の試み」西村修一(前・栃木県立岡本特別支援学校) ICFコアセットの評価におけるAI活用の可能性について検討した結果、現状ではAIのICFの分類項目及び評価点に関する曖昧さが明確に把握されるものの、具体的な記述評価を的確に踏まえたICFコアセットの評価結果をプロンプトすることにより、AI回答に、信頼性が高く詳細で具体的な指導・支援の内容を得ることができました。 ④ 「AIによるICF活用の検討」富山比呂志(茨城県立結城特別支援学校) コードによるコーディングについてがICF活用の困難さの一つであると報告し、今後AIの活用におけるコーディングが実現するとどのようなことが可能になるか、誰もが使えるICFについて考える機会となりました。 指定討論...
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日程決定! 9/13 ICFシンポ & 9/14 ICFポスター発表 @特殊教育学会in水戸

今回は,前回お伝えした水戸での日本特殊教育学会のシンポジウムとポスター発表の日程が決まりましたので.お知らせします. 2025年9月13日(土) 13:00 ~ 14:30 自主シンポジウム(SY1-4)「ICF活用の『不易と流行』を考える」 企画者: 德永亜希雄(横浜国立大学) 司会者: 徳永亜希雄 話題提供者: 逵直美(東京都立光明学園)「若手育成と ICF活用の検討」 徳永亜希雄「ICF概念モデルをベースにした教育モデルの検討」 西村修一(前・栃木県立岡本特別支援学校)「ICFコアセットの評価におけるAI活用の試み」 富山比呂志(茨城県立結城特別支援学校)「AIによるICF活用の検討」 指定討論者: 山元薫(静岡大学)「子ども理解としてのICF活用の意義」 田中浩二(至誠館大学,のあ保育園)「ICF活用の発展におけるAIの意義と可能性」 2025年9月14日(日)13:00 ~14:30 ポスター(P6-66)「ICFコアセット作成のための生成AI活用の可能性~就学前後の継続的支援のために抽出した項目をもとに~」(德永亜希雄,田中浩二) 以上です. 会場でお会いできることを楽しみにしています! (文責 ICF-CY Japan Network 運営スタッフ代表 徳永亜希雄)

ICFシンポ&ポスター発表@特殊教育学会 今年は@水戸です!

不順な天候が続いていますが,いかがお過ごしでしょうか. 今回は,日本特殊教育学会の案内その1です. 今年は,茨城県水戸市の水戸市民会館で,9月13日(土)~9月15日(月)に開催されます. 今年も,事前視聴動画等はなく,対面のみの実施となっています. まだ日程は決まってませんが,応募していたシンポジウムとポスターが大会事務局に受理されましたので,先にお知らせします. 前回大会では,「共通言語としてのICF活用の再考」と題して,原点に戻るような議論を交わすことができました. 今回は,さらに一歩前に踏み出すため,テーマを「ICF活用の『不易と流行』を考える」として,次のような内容で取り組みます. キーワードは,ICF・特別支援教育・AIです. 企画者: 德永亜希雄(横浜国立大学) 司会者: 徳永亜希雄 話題提供者: 逵直美(東京都立光明学園)「若手育成と ICF活用の検討」 徳永亜希雄「ICF概念モデルをベースにした教育モデルの検討」 西村修一(前・栃木県立岡本特別支援学校)「ICFコアセットの評価におけるAI活用の試み」 富山比呂志(茨城県立結城特別支援学校)「AIによるICF活用の検討」 指定討論者: 山元薫(静岡大学)「子ども理解としてのICF活用の意義」 田中浩二(至誠館大学,のあ保育園)「ICF活用の発展におけるAIの意義と可能性」 加えて,今年も,以下のとおり,ポスター発表も行います. こちらも一歩踏み込んだ取り組みです. 「ICFコアセット作成のための生成AI活用の可能性~就学前後の継続的支援のために抽出した項目をもとに~」(德永亜希雄,田中浩二) 今回は以上です. また日程が分かったらお知らせします. よろしくお願いいたします. (文責 ICF-CY Japan Network 運営スタッフ代表 徳永亜希雄)

佐藤久夫先生に学ぶ会・囲む会を開催

2025年2月11日 佐藤久夫先生に学ぶ会・囲む会を開催しました。 佐藤久夫先生は、現在、日本障害者協議会(通称JD)の理事、日本社会事業大学の名誉教授をされています。ICFをWHOレベルで作る段階の日本の事務局長をされるなど、ICFを作ってこられた方です。また、それに関心のあるものも私たちも含めて、いろんなものをつないでいただいた、大恩人、大師匠でもあります。 当日は、 ICFに関連する最近の話題からということで 「人権モデル、障害と機能障害、国民生活基礎調査での障害設問」という3つのテーマで、お話をしていただきました。 1.人権モデルについて 障害者権利条約の審査が、100カ国位に進んできている中で、障害者権利委員会では、「障碍の人権モデル」の定義が示されていなかったが、中身を検討し始めていること。そして、障害者権利委員会が考える、「障碍の人権モデル」の要素について、佐藤先生の解釈を含めて、わかりやすく教えていただきました。 2.障害と機能障害について 医学モデルの理解から人権モデルの理解に進む上で、日本の障害者権利委員会でも、この2つの概念の使い分けが曖昧なまま進んでいること。「障碍」「機能障碍」「障碍または機能障碍」という表現を、どのように使い分けていくべきなのかという提言があり、参加者の間でも、活発に議論が交わされました。 3.障害者の貧困率について 日本の障害者の貧困率のデータを、分析・公表するために、佐藤先生達のチームが、日本政府とやりとりをされている現状を伺いました。 1時間半ほどでしたが、中身の濃いお話を伺うことができ、とても充実した時間でした。 今後も、佐藤久夫先生に学ぶ会囲む会を継続していきたいと思っています。 文責  ICF-CY Japan network  大久保直子

2025年もよろしくお願いいたします

2025年となりました. 2024年もお世話になり,ありがとうございました. 2024年は,元旦から能登半島地震がある等,たいへんな年でしたが,皆様はいかがでしたでしょうか. ICFCYJPNといたしましては,次のような取組みをしました. 1月は,多様な教育的ニーズのある子どもたちの支援のための多職種間連携におけるICF活用研究会との連携のもと,対面とオンラインでの勉強会を行いました(話題提供:徳永亜希雄・西村修一). 9月は,特殊教育学会での自主シンポジウム 「共通言語としてのICF活用の再考」に参画しました(司会:徳永亜希雄,話題提供者:徳永亜希雄・逵直美・西村修一,指定討論:山元薫・田中浩二). 久しぶりの対面のみでの大会で,たいへん盛り上がりました. また,「子どもの育ちを切れ目なく支える個別の教育支援計画へのICF分類項目実装化に関する実証」と題して,ポスター発表も行いました(德永亜希雄,田中浩二). 2025年もいろいろな取組をする予定です.どうぞよろしくお願いいたします. 今年が皆様にとって良き年となることを願っております. (文責 ICF-CY Japan Network 運営スタッフ代表 徳永亜希雄)

ICFシンポ&ポスター発表@特殊教育学会 今年は@博多です!

今回は,日本特殊教育学会の案内です.  昨年は,は8月下旬に開催されましたが,今年は9月初旬に開催されます.  会場は,福岡市の福岡国際会議場,会期は,9月6日(金)~9月8日(日)です.  事前視聴動画等はない,久々の対面のみの実施となっています. 本シンポも,昨年度は趣旨説明や話題提供は動画視聴で行い,会場では,指定討論から開始しましたが,今年は,すべて会場で行います.  これまで,教育の文脈でICFの活用に関して検討してきた,私たちの自主シンポジウムについて,あらためて論点を整理し直し,今年はテーマを「共通言語としてのICF活用の再考」として,原点に戻るような議論を交わすことにしました.  詳細は以下の通りです.  自主シンポジウム S4-4 「共通言語としてのICF活用の再考」 9月27日(土)12:30~14:30 ※現在のところ,会場は未定 企画者: 德永亜希雄(横浜国立大学) 司会者: 徳永亜希雄 話題提供者:  徳永亜希雄「就学前から就学後への接続における分類項目活用の試み」 逵直美(東京都立光明学園)「若手教員育成におけるICF活用」 西村修一(前・栃木県立岡本特別支援学校)「共通言語としてのICFとICFコアセットの実践活用」  指定討論者:  山元薫(静岡大学)「学校教育の立場から」  田中浩二(至誠館大学,のあ保育園)「就学前教育・保育の立場から」    加えて,今年も,以下のとおり,ポスター発表を行います. 昨年度の続きである,概念ベースではない,項目ベースでの活用の取り組みです.  P2-62「子どもの育ちを切れ目なく支える個別の教育支援計画へのICF分類項目実装化に関する実証」(德永亜希雄,田中浩二) 9月6日(金)15:30~17:30    ぜひ,論文集でのご確認をいただき,当日参加される方は.会場でも!  プログラムの詳細はまだオープンになっていませんが,今大会の全体像は,以下をご覧下さい.  https://www.jase.jp/taikai62/  (文責 ICF-CY Japan Network 運営スタッフ代表 徳永亜希雄) 

高山恵子氏をお招きして、研修会を行ないました。

12月も半ばにさしかかり、本格的に寒くなってきましたね。 ICF-CY Japan Netwotkでは、8月に、NPO法人えじそんクラブ代表の高山恵子氏をお招きして、研修会を行ないました。 テーマは、「発達障害のある親子の自己実現の支援」〜ICFモデルの理念を活用した挫折をいかすヒント〜 始めに、発達障害のある人の自己実現とは、支援や合理的配慮を受けながら、自分らしさを生かして社会貢献すること。また、挫折した後の成功の快感を増やすことが大切というお話がありました。そして、ICFモデルの理念を、お子さんの実行機能やゲーム依存症への対応、セルフエスティームを高めるための方法などと関連付けながら、具体的にわかりやすくお話をしていただきました。 どの事例も興味深く、2時間があっという間でした。 事後のアンケートでは、ICFについてよく知っている方、ICFをまだよく知らないという方双方から、貴重な学びの機会になったというご意見をいただきました。 令和6年4月1日からは、事業所における合理的配慮の提供が、努力義務から義務化に変更となります。今後も、多くの方が、ICFモデルの理念や内容、活用方法などを学び、適正な合理的配慮が推進されることを願っています。 (文責 ICF-CY Japan Network 大久保直子)

祝!20回記念のICFシンポ&ポスター発表@特殊教育学会の報告です(その5)

今回は,フロアを交えた議論,その後の議論,そしてポスター発表の様子について報告します! 〇フロア交えて協議 1)Aさん, ・ICFとICTの活用の取り組みを進めてきた.同じ活用でも,ICTだと主語が子供になるが,ICFだと支援者になるところが不思議である. 2)Bさん  比較的古くから,ICFの活用に取り組んできた.以前は特別支援学校に在職していたが,現在は福祉分野での仕事.福祉分野では,ICF そのものを知らない人はいないので,研修で扱うことも必要がない.現職でも使えるも,と感じた. 3)(終了後,直接企画者へ)元特別支援学校等の校長のCさん ・共通言語になる前には,その前のプロセスとして 葛藤の段階があり,それを通り過ぎないと有用な共通言語にはなりえない. 〇シンポジウム全体を振り返って ・前回大会は,天候不順等で全員が集合できなかったが,今回大会はコロナ禍以降,久々に対面でじっくり話ができてよかった. ・インクルーシブ教育の文脈での活用だからこそ,従来の特別支援教育ではない領域への理解啓発ツールにより重点を置く必要があると感じまた. ・ICF活用のあらたな可能性をあらためて感じた.それぞれの課題を整理しつつ,さらに江検討を進めていきたい. 〇ポスター発表 自主シンポジウムの前日,以下のポスター発表を行いました. 「子どもの育ちを切れ目なく支えるICFを活用した共通情報シート開発に向けた基礎的研究」 德永亜希雄(横浜国立大学),田中浩二(至誠館大学) ・本研究は,子どもの育ちを切れ目なく支えるICFを活用した共通情報シート開発に向けた基礎的な知見を得るため,特別支援学校の実際の個別の教育支援計画への実装に向け,適切と思われるICFの項目を抽出することを目的としたもの. ・その結果,d130 模倣」他17項目が抽出され,今後の実装に向けた方向性が報告された. ・発表には,参観者が,こちらも切れ目なく訪れ,活発な質疑応答,議論が交わされた.参観者は,就学前にかかわる,切実な課題意識をもつ関係者が多く,今後の活用を期待する思いや実装を通した実証,実用化の必要性が感じられた. 以上が,2023年度の特殊教育学会での自主シンポ及びポスター発表の様子の報告でした. 御覧いただき,ありがとうございました. 次回は,自主研修会の様子を報告します.お楽しみに!. (文責 ICF-...

祝!20回記念のICFシンポ&ポスター発表@特殊教育学会の報告です(その4)

今回は,指定討論者からの質問に対する,それぞれの応答について報告します. 1)德永 *山元さんへ ・ICFが分かりやすい簡便な理解啓発ツールは必要かなと思う.ただし,各現場に+αで仕事が増えるような方法ではなく,溶け込ませるような方法が取れないかと思案中.今回の研究で明らかになった17項目についても,そのまま使うのではなく,実装先の学校の様式とマッピングをして,溶け込ませる方法をとった.自立活動の流れ図の中に溶け込ませるツールができないかと思案中. ・障害観とあったが,ICFだと機能障害,活動制限,参加制約の3次元がある.これらのうちどれか,或いはそれ以外か,整理したらより分かりやすいと感じた.ICFの立場からは,生活機能理解のほうが良いかもしれない.教育の文脈では,斉藤さんが話されていた.周りの人のこと等も含めた,子ども理解というのがしっくりくるような印象を受けた.実行状況と能力という考え方も有用. *田中さんへ ・教育の中とか,その領域の中だけで仕事する際は,分類項目は不要だが,他分野・他領域連携のもとで仕事を展開する際に共通言語としてのICFの分類項目が使えるとよいと考える.概念図とセットだとよりよい. ・ICFの評価点そのものの活用はまだやはり難しい.各領域で使っているアセスメントツールでの測定結果をリコードするような形で,その状況を表し,他分野と共有するような使い方はできないかと思案中. 2)斉藤さん ・障害観の理解,促進・醸成という話だが,そもそも障害とは何か・国際障害分類から国際生活機能分類になり,生活機能が前に出て障害が引っ込んだことが象徴しているように,障害と呼んでいるものは,その人の生活の在り様そのものであり適応努力と言えよう・ ・自立活動では調和的発達を目指している・つまり障害をなくすとか変えると言ったことではなく,調和的発達,その人が環境と相互作用するのに最適化された発達を目指そうということである・ ・評価については,子ども自身が評価することの重要性を感じる・ 3)逵さん *山元さんへ ・働き方改革・インクルーシブ教育の推進・教員不足・資質能力の向上などの学校の課題解決においてICFは今後も活用されると考える・その中でも,教員不足の中,もともと特別支援教育を目指して採用される人は少ない状況の中で,特別支援教育の理解啓発として障害のある児童生徒...